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-産業廃棄物処理業の実施にあたって- |
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岩手県北及び沿岸地域には、産業廃棄物の最終処分場が少なく、県央や県南地域の最終処分場へ搬入しているのが現状であった。このため不法投棄が頻発、またこの不法投棄が起因して地元の方々に産業廃棄物処理に対する不信感を増大させ、処理業に対するイメージを悪くしていた。そのため、産業廃棄物処理場に対する地域の理解が得られず、処理施設の設置が困難となり、結局、処理施設の不足により、また不法投棄が増えるという悪循環を繰り返していた。
そこで、処分場の必要性に理解ある地域の方々の要請を始めとして、排出事業者や収集運搬事業者等の強い要望に応える形で、新規に安定型の最終処分場を開設することを策定しました。幸いにも、当社は、長年地元の人々に支えられ育てられてきましたが、おかげさまで、今回の用地確保においても、皆様から協力的なご理解を得ることができ、事業開始に踏み切ることができました。
事業においては、我々の業界として、産業廃棄物の適正処理を進め、産業廃棄物処理に関する信頼を回復し、処分場の社会的必要性を培っていこうとするものです。
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-実施体制と運営状況- |
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蒲野建設株式会社環境保全部の5名体制で、産業廃棄物の安定型最終処分場を運営しています。部門の原価管理をし、独立採算としています。
久慈地方を中心に岩手県全般から、そして青森県の一部からの搬入があります。建設工事及び解体工事現場から発生するがれき類・廃プラスチック類・ガラスくず・コンクリートくず・金属くず・ゴムくずをダンプカーで処分場に受入搬入し、ブルドーザー等で転圧しながら埋め立てます。
計画では、約13万㎥の埋め立て容量で、向こう30年余りの運営予定であり、毎年、25項目にわたる水質検査をして安全性を確認しています。処理方式は、直高5m毎に50cm以上の覆土をして安定化と飛散防止に努めています。
受け入れ開始から4年を経過した現在のところ、関係者への周知も行き渡り、処分量も安定してきており、地域住民との関係も変わらず良好です。
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-弊社廃棄物処理の特徴- |
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事業的特長としては、当社の最終処分場は、都市部ではなく山間地にあるため、もともと、ホコリや騒音などでの地域住民への迷惑による摩擦の心配は少ないのですが、当社は積極的に地元主催の盆踊りに参加するなどして、地域住民とのイベントを通じての交流に取り組んだり、地域の高齢者に雇用を呼びかけ、労働力として貢献していただいたりしています。
技術的特長としては、廃プラスチックを切断するアタッチメントを導入し、体積を減らすよう加工し、埋め立て容量のロスが少なくなるよう心がけています。
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-廃棄物処理に対する今後の展望- |
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将来的には、現在の3倍ぐらいの処理能力とし安定的に受入できるように維持していきます。その他、沈砂池に魚を放したり、地域の方々との交流イベントを増やしたりして、より当該事業にご理解を深めていただけるように努めるとともに、ドローンを活用して最終処分場内の様子を観察しながら埋め立てを進めるなど、効率的な維持管理の運営も実施していきます。
そして、今回の事業終了予定である約30年後には、当処分場のさらに上方に用地を確保し、拡張していくような工事を申請したいと考えています。現状、内陸の盛岡近郊などの施設は、受け入れキャパが限界に近づいている状況と聞きますが、当地域では、継続的な受け入れを可能にして、長期的に産業廃棄物の安定的な処理環境を整備していきたいと思っています。
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-産業廃棄物の最終処分場- |
産業廃棄物の
種類 |
がれき類、廃プラスチック類、金属くず、ゴムくず、ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶磁器くず(石綿含有廃棄物を含む) |
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